ジュンク堂トークセッション「システム開発の未来―システムと組織を同時に変革する―」に参加してきました
2011年6月9日に、池袋ジュンク堂書店 4F 喫茶で行われたトークセッション「システム開発の未来―システムと組織を同時に変革する―」に参加してきました。
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計(いわゆる DDD 本)を翻訳なされた和智さんと、フューチャーセンターファシリテータの野村さんによる、参加型対話セッションです。
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)
- 作者: エリック・エヴァンス,今関剛,和智右桂,牧野祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/04/09
- メディア: 大型本
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以下は、わたしの個人的なメモ書きになります。あまりまとまっていませんし、自己流解釈となってしまっている箇所もあると思います。
大きな課題
- 日本のシステム開発、どうなっちゃうの(和智さん)
- フューチャーセンター について(野村さん)
問いかけと話し合い
1. システム開発の課題って?
- 「ユーザ or 開発者の言葉がよくわからない」
- 組み込みハードを作っているが、ソフトウェアの人と話しが通じないという悩みがある
- 業務システム発注をしているが、仕様を伝えても理解してるのかしてないのかわからず、あとでトラブルになる
- 仮想アイドルが流行ったとき、CGを学ぶ若者に制作を頼んでもイメージがうまく伝わらないことがあった。数値で言えば伝わるが…
2. どこのコミュニケーションがうまくいってない?
- ユーザも開発者も、すべて!
- ユーザ側の意見をとりまとめる人がいないとうまくいかない
3. システム開発にどんな夢がある?
- システムを通じて社会を幸せにしていきたい
- ユーザと開発者の共同作業としていきたい
DDD について(和智さん)
- 「ソフトウェアを作る上で、ビジネスパーソンと本当に協力していきたいと思うなら、この本を読みなさい」 by エリック・エヴァンス
- 顧客のビジネスを理解せよ
- 顧客の言葉で理解せよ
- その先にある「モデル」を理解せよ(※顧客がビジネスに対して持っている全体像)
- ソフトウェアは、モデルに従ってつくれ
- ソフトウェアは話し合いながらつくれ
- ソフトウェアは、育てるもの
- 顧客のビジネス全体のことを考えよ
- 実装してみるとモデルの矛盾に気づくことがある。ユーザにフィードバックするとよい
- …という話しは、当たり前のこと。しかし、実践はむずかしい
- なぜできないのか?
- 大きなコスト、承認のプロセス(予算、稟議…)
- それで本当に幸せなシステムができるのか?
- 開発者が頑張るだけではダメ。ユーザも変わる。
- 組織に、コミュニケーションを重視する風土が必要
DDD と組織論(野村さん)
- いまの和智さんのお話、組織論とどう関係ある?
- ゲーム会社では DDD が当然となっているが、システム開発ではできないことが多いと聞き、何か問題があるのではと思った(参加者の方)
- 自分自身(野村さん)がこうかなと思ったことをお話します
- 自社でナレッジマネジメントの研究をしていた。ラベル付け替えではなく、本当のビジネスにしようとした
- 組織の中の「価値」ってなんなのか?
- IDEO からは「チームがもっとも大事なことを知っている」というやり方を学んだ
- しかし、承認のプロセスに阻まれてしまった
- 会社を変えないと、いいものを世に出すこともできない。→フューチャーセンターへ繋がる
- フューチャーセンターをやる
- ゲーム作りのように普段の仕事をする
- みんなで参加し、アイディアを出しあって手を動かせば「自分ごと」だと思える
- 「自社のためだけに(商品を)作っていたら、会社は駄目になる」
- 新しい文化を持ち込まないとダメ
- 日常で行っている、そのプロジェクトのやり方自体を変えよう
質問タイム
- 企業の人はフューチャーセンターになぜ来てくれるのか
- 空間、ファシリテート、方法論のパッケージを求めている
- コミュニケーション不全は日本の組織の共通課題(縦割り組織、タコツボ化?)
- 「暗黙の仮定」を壊さないといけない(納期を守らないとクビになる…とか)
- システムの一部にならない、と決めた人がシステムを変えていくだろう
- 隣の人がやってるからやる、という人はそのシステムに加担している
- 辞めるつもりでやる
- 会社の枠を外して考える。会社のリソースを使ってやろうぐらいの気持ちで。
- 新しい企業とお会いしたらまず「ゲリラ戦士」をさがしている
- ゲリラ戦士とは、自分の立場を破壊してでも、組織を変えたいと思っている人
- 保身しながら会社を変えることはできない
- ゲリラ戦士を褒めてくれるのは、ゲリラ戦士だけ。でも、トップは見ていてくれるかも…?
- 会社を変えるための、もうちょっと安全なヒントをもらえませんか?
- 社長をフューチャーセンターに誘ってみる
- 「あなたの知識が必要なので、フューチャーセンターに参加してくださいますか」
- 反応ないなら諦めた方が…
- 社長の限界は、会社の限界(!)